Microsoft Entra ID(旧 Azure AD) を IdP として SaaS に SAML SSO を設定する基本手順です。Microsoft 365 を使う企業では最も導入しやすい IdP です。
前提
- Entra ID のアプリケーション管理者以上の権限
- 設定対象 SaaS が SAML に対応していること(SaaS別SSO対応一覧 で確認)
- 条件付きアクセスを使うなら Entra ID P1/P2 ライセンス
手順の流れ
1. エンタープライズアプリケーションを追加
Entra 管理センター →「エンタープライズアプリケーション」→「新しいアプリケーション」。ギャラリーに対象 SaaS があればテンプレートを選択(設定が一部自動化される)。
2. シングルサインオン方式に SAML を選択
「シングルサインオン」→「SAML」を選び、以下を設定:
- 識別子(Entity ID):SaaS が指定する値
- 応答 URL(ACS URL):SaaS のアサーション受信先
- サインオン URL:SP-initiated の開始 URL(任意)
3. 属性・クレームのマッピング
NameID をメールアドレスにするのが一般的。SaaS が要求する属性(氏名・部署・グループ等)をクレームに追加します。SaaS 側の期待値と完全一致させるのが失敗しないコツ。
4. 証明書とメタデータ
Entra が発行する フェデレーションメタデータ XML(または署名証明書+ログイン URL)を SaaS 側に登録します。SAML 署名証明書には有効期限があり、切れると SSO が止まるため更新管理が必須です(TLS短寿命化と証明書運用)。
5. ユーザー/グループの割り当て
アプリにアクセスできるユーザー・グループを割り当てます。割り当てがないと拒否されます。
6. SCIM 自動プロビジョニング(任意)
「プロビジョニング」→自動 を選び、SaaS のテナント URL とシークレットトークンを設定すると、入退社に応じたアカウント自動連携ができます(SCIMとは)。
つまずきやすいポイント
- NameID 形式の不一致(emailAddress vs persistent)でログイン失敗
- 証明書の期限切れで全社が突然ログイン不可
- 割り当て漏れ・グループ条件の誤り
- 条件付きアクセスのブロックを SSO 障害と誤認
まとめ
Entra ID は M365 環境なら最短距離の IdP です。他 IdP との比較は IdP比較表、規格の理解は SAML vs OIDC、全体設計は 企業SSO完全ガイド を参照してください。